私、最近知ったんですけど、蟹にもランクがあるんですね。身の詰まった良い蟹とそうじゃない蟹くらいの認識しかありませんでした。蟹通の方には笑われてしまいそうです。だって、スーパーで並んでる蟹にはそんな表記ないんだもん、と一応言い訳をしておきます。きっと専門店とか産地だとそういう呼称も使われているのかなぁと思います。でも、ランクがあるのであれば、美味しい良いランクの蟹を食べたいですよね。
というわけで、もしかしたら知っておくと通ぶれる、かもしれない蟹のランクのお話です。
蟹のランク
この蟹のランクの名前ですが、一般的には毛蟹に使われます。なぜ毛蟹に使われるのかというと、毛蟹は何度も脱皮をするからなんです。しかも、若い蟹だけではなく、生まれて何年も経つ蟹でも脱皮するんです。そして、いつ脱皮が行われたかによって味に違いが出るためにランク付けがされるのです。この「いつ」というのは何年目に脱皮したという時間ではありません。「最後に脱皮してからどれくらい時間が経ったか」というものになります。
では問題です。脱皮してすぐの蟹と脱皮してから時間が経ってる蟹、どちらの方が格が上なのでしょうか。ちなみに脱皮してすぐの蟹を「若蟹」、脱皮して時間が経ってる蟹を「堅蟹」と呼びます。さてさて、どちらでしょうか。
正解は、堅蟹の方が美味しい蟹です。堅いという字面で硬くなって美味しくなさそうなイメージがありますが、そうではないんです。逆に若くて瑞々しそうな若蟹の方がランクは下になります。
若蟹と堅蟹
若蟹は脱皮してちょっと経った蟹のことを言います。身はぎっちりとまでは詰まってなくて7割前後です。蟹味噌も水っぽくて全体的にゆるい感じです。場合によってはあんまり入っていないことも。ということで、ランクとしては一番ではありません。若い=新鮮というわけではないのが蟹の面白いところです。甲羅を触れば「あ、硬くない」とわかります。でも、ぎゅーって押したら痛みますので、軽く触ってみてください。
対して堅蟹は毛蟹の中でも最高ランクのものです。脱皮して時間が経てば経つほど身は引き締まってぎっしりと詰まり、蟹味噌も濃厚です。甲羅はガチガチに堅いですので、触れば一発で違いがわかります。とはいえ、なかなか一般の市場に出回ることは少なく、高級店や贈答用なんかで用いられることが多いです。スーパーで並んでいるのは主に若蟹の方です。それでも庶民には十分美味しいんですけどね。値段的にも良心的な値段な若蟹です。でも1度でいいから堅蟹も食べてみたいです。誰か連れてってくれないかなぁ。
ちなみに、若蟹と堅蟹のランクの間には若上蟹というのがあります。デパートなんかで並んでるのはこのへんではないでしょうか。9割くらい身が詰まってますので、堅蟹までいかないまでも満足感がある蟹です。逆に最もランクが低いのは水蟹とか脱皮蟹と呼ばれる、脱皮して本当にすぐの蟹です。これは脱皮で体力を使い果たした直後の蟹なので身はスッカスカで水っぽくてそのままで食べるのはさすがにガッカリ感が半端ないです。なので基本的には加工食品に使われることが多いです。ただ激安店とかだとこの水蟹を使っている可能性があるので注意が必要です。安いのには理由がある。
さて、堅蟹ですが、実はその中に更にランクがあるんです。最高級の中に更なる最高級品。それが4特。1特から4特まであるのですが、その中でも4特は特別中の特別。超高級料亭の常連とかでもないとお目にかかれません。通販でも取り扱いのある店舗はありますが、かなり限られています。漁業組合が身入りの状態を見てランク付けをするそうです。1特くらいだったら、スーパーの高級品コーナーで扱われることもあるみたいですが、まぁいいところのスーパーでしょう。
堅蟹の見つけ方
素人でもわかる見分け方があれば知りたいですよね。今後買う時の参考になります。
ずばりそれは甲羅の付着物です。堅蟹は先程も書きましたが脱皮してから時間の経ったものです。つまり、その甲羅になってから時間が経ってるわけですから、色々なものが付着しているんです。その代表がフジツボやカニビルです。特にカニビルは硬い甲羅を選んで卵を産み付けるので、カニビルがついている甲羅は堅い=堅蟹の可能性がかなり高いです。たまにカニビルがついているのは新鮮じゃないとか思う人もいるんですが、むしろ逆です。あれが美味しい蟹の証なんです。見た目が悪くて…て敬遠していたなら勿体無い!カニビルに毒はありませんので選んでください。
まとめ
一口に毛蟹と言ってもこれだけのランクがあるんですね。これだけ知っておけば、今後蟹を買う時に使えます。美味しい蟹が食べたかったら堅蟹。蟹味噌が詰まってるのも堅蟹。お財布的に厳しかったらせめて若上蟹。水蟹は選んじゃダメ。
皆様の蟹ライフの参考になれば幸いです。