カニ、美味しいですよね。我が家では冬場、特にお正月シーズンなんかにたまの贅沢品として出てきます。美味しく食べたいので旬の冬に食べるという人も多いのではないでしょうか。ところが、北海道の人に言わせれば、別に旬は冬だけではないと。なんと種類によって旬が違うので1年中食べられるというのです。なんてこった。北海道民羨ましい。
では、北海道で漁獲カニはどんな種類があって、何時が旬なのでしょうか。
カニの王様タラバガニ
カニと言ったらまずは間違いなくタラバガニでしょう。とは言うものの、実はカニじゃなくてヤドカリなんです、というところまでがお約束の文言。他のカニと比べると足の数が違うんです。でもまぁ、今回はカニということでカウントします。大きいものだと足を広げた状態で1メートル超え!食べごたえのあるカニです。
オホーツク海や知床半島の沖合い北海道東部に多く分布しています。鱈(たら)がたくさん漁獲される場所にいるので鱈場(タラバ)の名前がついたとされています。
焼いてもよし、茹でてもよし、でも丸々1つを自宅で調理するのは大きいので難しいですし、蟹味噌は美味しくないので、大体足だけで売られてることがほとんどです。
旬はいつかというと、これが色々ありまして。まず流氷が1つのポイントになります。北海道には冬場流氷が来ますが、これが去った後の4月~5月に獲れるタラバガニが甘みが強くて美味しいと言われていて、ここが旬だと言う人もいます。ところが4月はタラバガニの産卵期でもあるので、禁漁になっていることもあるため旬とは言えないのではないかという意見もあります。カニは脱皮をするのですが、脱皮をしてしばらくすると殻が固くなり、硬カニと呼ばれる状態になります。この状態になったのが旬だとも言います。これが11月以降。ただ、脱皮をしていない状態のカニも混ざるので、品質にバラつきもあります。でも美味しい時期です。なので、味を取るなら春、身の入りを取るなら冬といった感じです。
蟹味噌最高毛ガニ
その名の通り甲羅含め全体が細い毛で覆われているカニです。身も引き締まってとても美味しいのですが、何と言ってもカニ味噌!カニ味噌好きは多くの人が毛ガニのカニ味噌推しです。私も推します。ミソ好きのためにダルマと呼ばれる足の取り除かれた状態での販売もされてるくらいです。でも、身も美味しいので出来たら丸々買って食べてもらいたいものです。カニ味噌にカニの身をつけて食べるなんて最高です。贅沢な食べ方です。ちなみに、ミソの量はカニの大きさで変わることはないみたいなので、カニ味噌がメインで楽しみたいなら小ぶりのものを選ぶとお得感があります。
毛ガニの最大のポイントは、季節のよって獲れる漁場が異なるということです。つまり、1年を通じてどこかしらで水揚げされて旬のものが食べられるのです。なんて最高。
4~6月は、オホーツク海頓別港沖合。7~10月は道東海域根室港沖合。11~3月は釧路・広尾港沖合。1年中毛ガニは獲れるんです。すごいですよね。ですので、毛ガニを旬のもので食べたいなら、季節と産地に注目すれば良いものが一目瞭然です。ぜひ覚えてください。
名前が色々ズワイガニ
産地によって名前が変わってしまうのがズワイガニです。有名なのだと松葉ガニや越前ガニですね。獲れる場所やオスかメスかなどで名前が変わるカニです。残念ながらそれらと比べると北海道のズワイガニは別名はついていないですし、漁獲量も少ないのですが、獲れないというわけではありません。ちゃんと北海道でもズワイガニは獲れます。主にオホーツク沿岸で水揚げされます。
タラバガニ同様、オホーツクの流氷によって漁獲時期が制限されています。流氷がさらないと獲れません。なので、漁獲は主に流氷の去った4月から5月です。流氷の運んでくる栄養分のおかげで甘みの強い美味しいカニになります。
ただ、これは本ズワイガニのことで、似たような見た目の紅ズワイガニというのがいます。味は本ズワイガニよりも水っぽくてランクは下がるのですが、悪質な業者だと偽って販売されていることもあるようです。本ズワイガニを食べたい場合はよくよくお気をつけください。
鮮やかな花咲ガニ
今までの3つに比べたら知名度は低いかもしれませんが、日本の美味しいカニの1種です。花咲漁港で多く獲れることから花咲ガニという名前がついたという説と、茹でると花が咲いたように鮮やかな赤色になるから花咲ガニと名前がついた説とあるのですが、実際花咲漁港で獲れてますし、色も茹でると綺麗な赤になるので、どっちが正解でも間違いはなさそうです。
生息区域がものすごく少ないので漁獲時期の制限もあるため幻のカニとまで言われています。一般人が旬のものを買うのはなかなか難しいようです。漁獲出来るのは7月(早いと6月末)から8月の終わりから9月頭です。なので旬もその時期になります。解禁日に探してもすでに予約でいっぱいの可能性もあるので、旬の美味しい花咲ガニを手に入れたいのであれば早い段階から販売店をリサーチしておく必要があります。
ただ、朗報なのは北海道の水産研究所が養殖に成功したという報告があるので、天然物ではないですが少し安価で食べられるものが今後出てくる可能性があります。とは言ってもまだ先ですので、現時点では高級カニであることに間違いはありません。
まとめ
他にもカニはいますが、北海道のカニといえばこの4つだと思います。どれも美味しいです。期間限定でしか獲れないものもありますので、食べたい方は時期と産地を要チェックです。旬の一番美味しいときに美味しいカニをぜひご賞味ください。